子どもの病気の症状と対処方法のお話

🟢 乳幼児がかかりやすい風邪の一種です。2歳までにほぼ全員が罹患すると言われています。
🟢 ほとんどは自然に治りますが、 特に6か月未満の赤ちゃんで重い症状となることがあります。
🟢 何度も感染しますが、最初にかかったときが一番重くなりやすいです。
症状の特徴
✳️軽い場合:鼻水、せき、発熱(37〜39℃程度)
✳️重い場合:ぜーぜー・ヒューヒュー(喘鳴)、息苦しさ 息を吐く時に苦しい感じを認めます。(呼気性喘鳴)
    
RSウイルス感染症の主な感染経路は、飛沫感染および接触感染で、乳幼児では家庭内や保育園、病院などでの集団発生が問題となることがあります。感染対策としては、マスク対策手洗い対策が重要ですが、もっとも流行しやすい2歳未満のお子さんにはマスク着用が困難なので、対策が難しい部分があります。

🟢 RSウイルスに効く特効薬はありません。対症療法が中心です。
🟢 抗生剤(細菌をやっつける薬)は効果がありません。
🟢 基本的には、症状を和らげながら自然に治るのを待ちます。
🟢 熱などで辛い時は解熱鎮痛剤、せき・鼻水に対しては症状を和らげる薬で治療します。
🟢 呼吸が苦しくなったときは、吸入や入院が必要になることがあります。

🟢 安静にして、よく休ませるのが大事です。
🟢 水分補給(母乳・ミルク・経口補水液など)をこまめ行い、食事は無理せず食べられるもの(ゼリー、おかゆ、うどんなど)を少しずつ与えましょう。

🟢 熱が下がり、咳が落ち着いて、元気になったらOKです!

🔴 ゼーゼー・ヒューヒューとした呼吸がひどい、 息が苦しそう。(肩で呼吸する、陥没呼吸 がある)
🔴 顔色が悪い、チアノーゼがある。(唇や手足の色が悪い)
🔴 ミルクや水分を受けつけず、おしっこが半日以上出ていない。
🔴 ぐったりして反応が鈍い。
🔴 呼吸を20秒以上止める(無呼吸)、あるいは浅く早い呼吸をする。

🟢 RSウイルスは、ほとんどすべての児がかかる感染症にもかかわらず、特定の疾患を持っているお子さんを除いては、従来は予防の方法がありませんでした。昨年から2つの方法で多くのお子さんで予防することが可能となりました。
🟢 RSウイルス抗体製剤を本人に打つ方法: 出生したお子さんに、RSウイルスシーズンに1回注射をすることで、感染症を予防する方法です。1回の注射で1シーズン有効ですが、注射が高額です。(保険診療ではなく、自費での対応となります。)
🟢 RSウイルス母子免疫ワクチン    :妊娠中の妊婦に接種することにより母体の体内で、RSウイルスに対する抗体を産生し、その抗体が胎盤を通じて母体から胎児へ移行する(移行抗体といいます)ことで、出生後の乳児をウイルスから守る方法です。1回の注射で1シーズン有効で、1の方法よりも低額で接種が可能ですが、妊娠中の接種に限られます

国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト RSウイルス感染症

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

12

13 14 15
キッズクリニックブログ