RSウイルス感染症 すべの新生児で予防が可能な方法が出来ました

普段は冬に流行のあるRSウイルス感染症(👈クリックで別画面が開きます(RSウイルスの感染によって引き起こされる呼吸器感染症)ですが、新型コロナ感染症の流行後以降は従来の季節性が無くなり夏にも流行が見られています。

RSウイルス感染症(👈クリックで別画面が開きますには、特異的な治療はありませんが、時に重症化して入院治療を要することもありますので注意が必要です。感染を防ぐには、①咳があるときにはマスクをする(感染が最も心配な1歳未満のお子さんは、有効にマスクをすることは難しいですが)②手を30秒以上かけて丁寧に洗うなどで対応します。

早く生まれたお子さん(早産児)などでは、ウイルス感染症の重症化を防ぐ目的で開発されたシナジスを注射することで重症化予防が可能でしたが、すべての新生児に接種を行うことは出来ませんでした。今年になってこの問題を解決してくれる可能性がある薬が発売されました。

① 最近発売になったベイフォータスです。この薬剤はすべての新生児で接種が可能です。ハイリスク乳児には保険適用で使用でき、かつハイリスク乳児以外の健常乳児等にも自費診療にて使用が認められています。 1シーズンに1回の接種で良いのですが、薬価が高額なので45~90万円以上の費用がかかります。

② アブリスボというワクチンは、費用は3万円程かかりますが、妊娠24~36週の妊婦にワクチンを接種をして、RSウイルスによる抗体を高めておく方法です。産婦人学会・小児科学会でも推奨している方法です。  ぜひ、妊婦の方はご検討ください。

RSウイルス母子免疫ワクチンに関する考え方   日本小児科学会

妊婦の方へRS ウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ®筋注用)が接種可能となりました 日本産婦人科学会

注)60歳以上の成人の方向けのRSウイルス感染予防には、アレックスビーというワクチンも接種が可能になりました。

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